DCB vs.DES 3mm未満の病変追跡結果: Lancet

新規の冠動脈微小血管の治療において、drug-coated balloons (DCBs)はdrug-eluting stents (DESs)と比較して12ヶ月までのclinical outcomeは劣らないが、1年以上のデータはほとんどありません。

この研究では、経皮的冠動脈インターベンションを受けた患者を対象に、clinical outcomeに関するDCBの長期的な有効性と安全性を検証しました。

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方法

この研究は多施設ランダム化非盲検試験で、ドイツ、スイス、オーストリアの14の臨床施設から、3mm未満の新規病変で経皮的冠動脈インターベンションの適応を有する患者を、DCB (paclitaxel-coated SeQuent Please balloon)または第2世代DES (everolimus-eluting Xience stent [72% of cases] or paclitaxel-eluting Taxus Element stent [28% of cases])に無作為に1:1で割り付けました。

主要有害心血管イベント(心臓死、非致死的心筋梗塞、標的血管再灌流; TVR)、全死因死亡、ステント血栓症、大出血(Bleeding Academic Research Consortium bleeding type 3-5)について3年間追跡調査を行いました。

DAPTは,症状が安定している場合はDCB後1ヵ月、DES後6ヵ月間、急性冠症候群の場合は12ヵ月間が推奨されました。

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結果

2012年4月10日から2017年2月1日までの患者883人のうち,758人(86%)がDCB群(n=382)またはDES群(n=376)に無作為に割り付けられました。

主要な心臓有害事象の発生率のKaplan-Meier推定値は、DCB群、DES群ともに15%でした(ハザード比[HR] 0.99, 95%CI 0.68-1.45, p=0.95)。

それぞれの構成要素で別についても、

心臓死(Kaplan-Meier推定値 5% vs 4%, HR 1.29, 95%CI 0.63-2.66, p=0-49)

非致死的心筋梗塞(Kaplan-Meier推定値 両群とも6%, HR 0. 82, 95%CI 0.45-1.51, p=0.52)

TVR(Kaplan-Meier推定値 両群とも9%, HR 0.95, 95%CI 0.58-1.56, p=0.83)

全死因死亡率(Kaplan-Meier推定値 両群とも8%, HR 1.05, 95%CI 0.62-1.77, p=0-87)。

と両群で類似していました。

ステント血栓症(Kaplan-Meier推定値 1% vs 2%, HR 0.33, 95%CI 0.07-1.64, p=0.18)と大出血(Kaplan-Meier推定値 2% vs 4%, HR 0.43, 95%CI 0.17-1.13, p=0.088)の発生率は、DCB群で低いも有意差はありませんでした。

Long-term efficacy and safety of drug-coated balloons versus drug-eluting stents for small coronary artery disease (BASKET-SMALL 2): 3-year follow-up of a randomised, non-inferiority trial. Lancet. 2020 Oct 19

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