新型コロナへのレムデシビル効果

Covid-19の治療のためにいくつかの治療薬が評価されていますが、有効性が示されている抗ウイルス薬はまだありません。

この研究ではCovid-19 で入院し、下気道感染を認めた成人を対象に、レムデシビル静注の二重盲検無作為化プラセボ試験を実施しました。

対象者は、レムデシビル(1日目200mgローディング用量を投与し、その後100mgを1日1回、最大9日間投与)またはプラセボを10日間投与する群に無作為に割り付けられました。

主要アウトカムは回復までの時間とされました。

 

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結果

合計1062人の患者が無作為化を受けました(541人がレムデシビル群、521人がプラセボ群)。

レムデシビル投与群の回復期間中央値は10日(95%信頼区間[CI] 9~11)、プラセボ投与群で15日(95%CI 13~18)でした(rate ratio for recovery 1.29;95%CI 1.12~1.49;P<0.001)。

レムデシビルを投与された患者は、プラセボを投与された患者よりも15日目に臨床的改善を示す可能性が高かったです(オッズ比 1.5;95%CI 1.2~1.9)。

死亡率のカプランマイヤー推定値は、

15日ではレムデシビル投与群で6.7%、プラセボ投与群で11.9%

29日ではレムデシビル投与群で11.4%、プラセボ投与群で15.2%

でした(ハザード比 0.73;95%CI 0.52~1.03)。

重篤な有害事象は、レムデシビルを投与された532例中131例(24.6%)、プラセボを投与された516例中163例(31.6%)で報告されました。

急性呼吸不全や気管内挿管が必要な重篤な呼吸不全の有害事象はレムデシビル群で47件(患者の8.8%)、プラセボ群で80件(患者の15.5%)でした。

全患者の5%以上に発現した最も一般的な非重篤な有害事象は、腎機能低下、ヘモグロビン値低下、リンパ球数低下、呼吸不全、貧血、発熱、血糖値上昇でした。

これらの有害事象の発現率は、レムデシビル群とプラセボ群で概ね同程度でした。

 

まとめ

今回のデータは、Covid-19で入院し下気道感染の証拠がある成人を対象に、回復までの時間を短縮する上で、レムデシビルがプラセボよりも優れていたことがしめされました。

Remdesivir for the Treatment of Covid-19 — Final Report. NEJM October 8, 2020

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