AF初期治療としてのクライオアブレーション

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背景

薬物療法に反応しない症候性発作性心房細動患者においては、洞調律の維持には抗不整脈薬よりもカテーテルアブレーションの方が有効です。

しかし、初期治療としてのクライオバルーンアブレーションの安全性と有効性は確立されていません。

 

方法

この研究は、多施設共同試験です。

これまでにrhythm-control therapyを受けたことがない発作性心房細動を有する18~80歳の患者を対象に、抗不整脈薬(クラスIまたはIIIの薬剤)による治療を受ける群と、クライオバルーンによる肺静脈隔離術を受ける群に無作為に1:1に割り付けました。

不整脈のモニタリングは、ベースライン時、1、3、6、12ヵ月目に12誘導心電図、3ヵ月目から12ヵ月目までに症状が認められた場合には毎週の電話モニタリング、6ヵ月目と12ヵ月目に実施された24時間モニタリングを実施しました。

有効性の主要評価項目は治療の成功とされ、安全性エンドポイントはアブレーション群のみで評価され、手技に関連した重篤な有害事象とクライオバルーンシステムに関連した重篤な有害事象を複合したものとされました。

 

結果

無作為化を受けて治療を受けた 203 名の参加者のうち、104 名がアブレーションを受け、99 名が初期に薬物療法を受けました。

アブレーション群では、97%の患者で初期治療が成功しました。

12ヵ月後の治療成功率は、アブレーション群で74.6%(95%信頼区間[CI] 65.0~82.0)、薬物療法群で45.0%(95%CI 34.6~54.7)でした(P<0.001)。

2つの安全性エンドポイントイベントがアブレーション群で発生しました(1.9%;95%CI 0.5~7.5)。

 

まとめ

発作性心房細動患者における心房性不整脈再発予防のための初期治療としてのクライオバルーンアブレーションは薬物療法よりも優れていました。

また重篤な手技関連の有害事象はまれでした。

Cryoballoon Ablation as Initial Therapy for Atrial Fibrillation. Wazni OM, et al. N Engl J Med. 2021. PMID: 33197158

 

心房細動早期アブレーションの有用性


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