便秘と心臓病

便秘は多くの方が経験する症状かと思います。

排便時に心イベントを発症・増悪する患者さんを経験しますが、便秘と心血管疾患とに関連する研究は多くありません。

便秘の有病率の高さを鑑みると、心血管疾患との関連を明らかにすることは重要です。

この研究では便秘と診断されたコホートで、心筋梗塞、脳卒中、末梢動脈疾患、静脈血栓塞栓症、心房細動または心房粗動、心不全のリスクを一般集団コホートと比較して評価しました。


 

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方法・結果

2004年から2013年までデンマークの病院・診療所のデータを使用しました。

便秘患者群 83,239人に、一般集団の対照群 832,384人をマッチングさせました。

便秘患者群は年齢中央値 46.5歳、男性 41%でした。

10年間の追跡期間で便秘は1.2~2倍の心血管疾患リスク増加につながりました。

  • 心筋梗塞(HR 1.24, 95%CI 1.14~1.35)
  • 虚血性脳卒中(HR1.50, 95%CI 1.41~1.60)
  • 出血性脳卒中(HR 1.46, 95%CI 1.26~1.60)
  • 末梢動脈疾患(HR 1.34, 95%CI 1.20~1.50)
  • 静脈血栓塞栓症(HR 2.04, 95%CI 1.89~2.20)
  • 心房細動または心房粗動(HR1.27, 95%CI 1.20~1.34)
  • 心不全(HR 1.52, 95%CI 1.42~1.62)

 

心血管疾患のリスクは便秘と診断されてから最初の1年で最も高くなりました。

  • 心筋梗塞のリスクは1.5倍
  • 虚血性脳卒中や出血性脳卒中、心房細動または心房粗動のリスクは約1.7倍
  • 末梢動脈疾患のリスクは約1.2倍
  • 静脈血栓塞栓症のリスクは約3.5倍
  • 心不全のリスクは約2.2倍

 

また、この関連は下剤の処方回数の増加とともに強まりました。

 

まとめ

便秘は心血管疾患、静脈血栓塞栓症のリスク増加と関連していました。

この関連のメカニズムは多因子性である可能性が高いとdiscussionされています。

例えば便秘と静脈血栓症の関連は運動不足や肥満の影響が言われ、また便秘と消化管癌の関係も報告されており悪性腫瘍の影響も考察されています。

動脈疾患のリスクは腸内細菌叢が関与した炎症の影響が考察されています。

私は便秘で息んだ際に自律神経の変調や、前負荷・後負荷の変動で心イベントにつながると想像していたのですがあまり言及はありませんでした。

Constipation and risk of cardiovascular diseases: a Danish population-based matched cohort study. BMJ Open. 2020 Sep 1

 

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