この研究では、血管造影で中間的な冠動脈病変(AICL: angiographically intermediate coronary lesions)を有する患者を対象に、OCTガイドとFFRガイドでの治療を比較しました。
AICLを有する患者をFFR群とOCT群に無作為に割り付けました。
FFR群ではFFRが0.80以下の場合にPCIを実施しました。
OCT群では、狭窄率が75%以上、または50%~75%で最小腔内面積が2.5mm2以下もしくはplaque ruptureがあった場合にPCIを行いました。
フォローアップ終了時に狭心症、主要有害心イベント、費用を評価しました。
結果
患者350例が登録され、FFR群に176例、OCT群に174例が無作為に割り付けられました。
ベースラインでは心筋梗塞の既往がOCT群で有意に多かったです(FFR 18.8% vs. OCT 29.9%, p=0.02)。
治療としてPCIはOCT群で有意に多く行われました(FFR 32.4% vs. OCT 52.9%, p <0.001)。
主要エンドポイントである13ヵ月での主要有害心イベントまたは狭心症はFFR群で14.8%、OCT群で8.0%の患者で発生しました(p=0.048)。
13ヵ月で、OCT群と比較して、FFR群では内服管理された患者の割合が有意に高く(FFR 62.5% vs. OCT 44.8%, p <0.001)、総費用が有意に低く(p < 0.001)なっていました。
まとめ
AICLを有する患者では、OCTガイドは低い心イベントと関連していました。
FFRガイドは高い内服管理の割合と低いコストと関連していました。
Fractional Flow Reserve or Optical Coherence Tomography to Guide Management of Angiographically Intermediate Coronary Stenosis: A Single-Center Trial. JACC Cardiovasc Interv. 2020;13: 49-58