TAVI術後せん妄のリスク因子

経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)後の術後せん妄の危険因子およびせん妄が死亡率および罹患率に及ぼす影響が検討されました。

多施設共同研究で2012年から2013年にTAVIを受けた患者のデータベースを用いて、TAVI後のせん妄の独立した危険因子を同定するため、術前および術後の危険因子が統計的に解析されました。

スポンサーリンク

結果

2012から2013年に7,566人の患者がTAVIを受けました。

TAVI後のせん妄発生率は4.57%(345例)でした。

年齢>85歳(OR 1.03;95%CI 1.01~1.05;p=0.003)、電解質異常(OR 1.83;95%CI 1.17~2.87;p=0.008)、神経学的疾患の既往(OR 1.67;95%CI 1.10~2.87;p=0.008)、および体重減少(OR 1.77;95%CI 1.05-2.99;p=0.03)は、術後せん妄の独立した危険因子でした。

片側性または両側性の頸動脈狭窄はせん妄の発症の危険因子とはなりませんでした。

術後せん妄は手技に関連した病的状態(定義:14日以上の滞在期間または自宅以外の場所への転院)の独立した危険因子でした(OR 3.29;95%CI 2.05-5.28;p < 0.001)。

一方で術後せん妄はTAVI後の院内死亡のリスクを増加させませんでした。

まとめ

85歳以上の年齢、電解質障害、神経学的疾患の既往、体重減少がせん妄の独立した危険因子であることが明らかになりました。

術後せん妄はその後の病的状態と有意に関連していました。

病的状態となる率が大幅に増加しているため、術後せん妄を予測、予防、治療するための徹底したスクリーニングプロトコルと効果的な戦略があれば、TAVIに関連するコストを削減することができるだろうとしています。

Delirium Following Transcatheter Aortic Valve Replacement: National Inpatient Sample Analysis. J Cardiothorac Vasc Anesth. 2017; 31: 1977-1984.

スポンサーリンク
最新情報をチェックしよう!