中性脂肪値は、心血管イベントの残余リスクとして注目されています。
この研究では従来の冠動脈疾患の治療を受けた患者における、中性脂肪値と心血管イベントとの関係が評価されました。
方法
FMD-J Study Aに登録された652例のデータが解析されました。
中性脂肪値と心血管イベント(心血管イベントによる死亡、非致死的急性冠症候群、非致死的脳梗塞、冠動脈疾患)の関係が3年間の追跡調査されました。
患者は中性脂肪値に基づいて4つの群に分けられました(<100mg/dL、100-149mg/dL、150-199mg/dL、200mg/dL以上)。
追跡期間の中央値は46.6ヵ月でした。
結果
14例が死亡(心血管イベントによる原因9例),16例が非致死的急性冠症候群、6例が非致死的脳卒中、54例に冠動脈疾患を認めました。
中性脂肪値による4群間の心血管イベントのKaplan-Meierは有意に異なっていました(P=0.04)。
様々な交絡因子を調整した結果、中性脂肪値が100mg/dL以上であることは、100mg/dL未満と比較して、心血管イベントのリスク増加と有意に関連していました。
まとめ
中性脂肪値は、冠動脈疾患患者における心血管イベントのサロゲートマーカーとなる可能性があるとしています。
Target of Triglycerides as Residual Risk for Cardiovascular Events in Patients With Coronary Artery Disease ― Post Hoc Analysis of the FMD-J Study A. Circ J. 2019; 83: 1064-1071.