アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)は、レニン-アンジオテンシン系の調整因子です。
この研究では、血漿中のACE2濃度が死亡または心血管疾患イベントのリスクの増加と関連しているかどうかが評価されました。
方法
Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE)のデータ(アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北米、南米の 5 大陸 14 カ国)を用いて解析が行われました。
ACE2の血漿中濃度を測定し、血漿中ACE2濃度を規定する潜在的な因子、およびACE2と心血管イベントとの関連性が評価されました。
結果
全体で10753人が評価されました。
血漿ACE2濃度の上昇は、心血管系死亡および非心血管系死亡の増加と同様に、全死亡リスクの上昇と関連していました(1SD増加毎のハザード比[HR]1.35, 95%CI 1.29-1.43)。
血漿ACE2濃度は、心不全(HR 1.27, 1.10-1.46)、心筋梗塞(HR 1.23, 1.13-1.33])、脳卒中(HR 1.21, 1.10-1.32)、糖尿病(HR 1.44, 1.36-1.52)のリスクの上昇と関連していました。
これらの所見は、年齢、性別、祖先、および従来の心臓危険因子とは無関係でした。
ACE2濃度の最も高い決定因子は、性、地理的祖先、およびBMIでした。
臨床的危険因子(喫煙、糖尿病、血圧、脂質、BMI)と比較した場合、ACE2は死亡予測因子の最上位であり、心不全、脳卒中、心筋梗塞の予測因子としていくつかの危険因子を上回っていました。
まとめ
血漿中ACE2濃度の上昇は、グローバルな研究において、主要な心血管イベントのリスク上昇と関連していました。