CPA後低体温療法患者の抗菌薬投与による早期VAP予防: NEJM

ショック可能な院外心停止後に低体温療法を行った患者は、人工呼吸器関連肺炎のリスクが高くなります。

しかしながら予防的な抗菌薬治療の有用性は示されていません。

この研究では心停止後低体温療法中の患者で抗菌薬投与がVAPを予防するか検討されました。

ショック可能な院外心停止後、人工呼吸器管理を行っているICUの成人患者(18 歳以上)を対象に、多施設共同、二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験が実施されました。

抗菌薬治療を継続している患者、多剤耐性菌を慢性的に有している患者は除外されました。

心停止後6時間以内に、アモキシシリン/クラブラン酸塩の静脈内投与(用量はそれぞれ1gと200mg)またはプラセボを1日3回、2日間投与しました。

主要評価項目は早期の人工呼吸器関連肺炎(入院後 7 日間)とされました。

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結果

198例が無作為化され、194例が解析対象とされました。60例の人工呼吸器関連肺炎が確認され、そのうち51例が早期人工呼吸器関連肺炎でした。

早期呼吸器関連肺炎の発生率は、抗菌薬予防投与された群の方がプラセボ群よりも低値でした(19例[19%] vs. 32例[34%];HR 0.53, 95%CI 0.31~0.92, P=0.03)。

遅発性人工呼吸器関連肺炎の発生率(4% vs. 5%)、ventilator-free days(21日 vs. 19日)、ICU滞在期間(退院例5日 vs. 8日、死亡例 7日 vs. 7日)、28日死亡率(41% vs. 37%)については、抗菌薬投与群とプラセボ群との間に有意差は認められませんでした。

7 日目の時点で耐性菌の増加は認められませんでした。重篤な有害事象は両群間で有意差はありませんでした。

まとめ

ショック可能な院外心停止後、32~34℃の低体温療法を施行した患者にアモキシシリン/クラブラン酸塩による2日間の抗菌薬治療を行ったところ、プラセボ群に比べて早期人工呼吸器関連肺炎の発生率が低下しました。

ventilator-free daysや28日死亡率など、その他の重要な臨床転機については、両郡間で有意差は認められませんでした。

Prevention of Early Ventilator-Associated Pneumonia after Cardiac Arrest. N Engl J Med 2019; 381:1831-1842.

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