敗血症性ショックに対するヒドロコルチゾン有意差示されず: NEJM

敗血症性ショック患者の死亡率をヒドロコルチゾンが減少させるかどうかは不明でした。この研究は、 mechanical ventilation を受けている敗血症性ショック患者を、7日間または死亡または集中治療室(ICU)から退院するまでの間、ヒドロコルチゾン(1日200mg/日投与)またはプラセボ投与のいずれかに無作為に割り付けました。主要アウトカムは90日後の死亡とされました。

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結果

2013年3月から2017年4月までに、合計3800人の患者が無作為化を受けました。主要アウトカムは、3658例(ヒドロコルチゾン群1832例、プラセボ群1826例)でした。90日目にヒドロコルチゾン群511例(27.9%)、プラセボ群526例(28.8%)が死亡しました(OR 0.95;95%CI 0.82~1.10;P=0.50)。ヒドロコルチゾン投与群に割り付けられた患者は、プラセボ群に割り付けられた患者に比べてショックからの回復が早期でした(持続期間中央値 3日[中間値範囲 2~5] vs 4日[中間値範囲 2~9];HR 1.32;95%CI 1.23~1.41;P<0.001)。ヒドロコルチゾン群の患者はプラセボ群よりも mechanical ventilation の期間が短期でした(中央値 6日[中間値範囲 3~18]vs 7日[中間値範囲、3~24];HR 1.13;95%CI 1.05~1.22;P<0.001)が、換気の再発のエピソードを考慮しても、生存日数と mechanical ventilation から解放された日数には有意差はありませんでした。輸血を受けた患者は、ヒドロコルチゾン群ではプラセボ群よりも少数でした(37.0% vs. 41.7%;OR 0.82;95%CI 0.72~0.94;P=0.004)。28日死亡率、ショックの再発率、生存日数とICUからの退院日数、生存日数と退院日数、 再mechanical ventilation率、腎代替療法の実施率、新規発症の菌血症または菌血症の発生率に関しては、両群間に有意差はありませんでした。

まとめ

mechanical ventilation を受けている敗血症性ショック患者において、ヒドロコルチゾンの継続的な注入は、プラセボに比べて90日死亡率を低下させませんでした。

Adjunctive Glucocorticoid Therapy in Patients with Septic Shock. N Engl J Med. 2018; 378 ;797-808.

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