敗血症性ショックは、循環器、細胞、代謝異常を伴う感染に対する宿主反応の調節障害によって特徴づけられます。
この研究では、敗血症性ショック患者の臨床転帰を改善するため、ヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン、または宿主反応を調節できるドロトレコジンアルファ(活性化)の併用療法が有効であるとの仮説が立てられました。
多施設二重盲検無作為化試験で、ヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン療法、ドロトレコジンアルファ(活性化)、3剤併用、またはそれぞれのプラセボの効果を評価しました。主要アウトカムは90日間の全死亡率としました。
副次評価項目として、ICU退室時と退院時、28日目と180日目の死亡率、生存日数と血管拡張剤、機械換気、臓器不全のない日数が含まれました。
ドロトレコジンアルファ(活性化)が市場から撤退した後も、2群並行デザインで継続されました。
解析では、ヒドロコルチゾンとフルドロコルチゾンを投与された患者とそうでない患者(プラセボ群)が比較されました。
結果
試験に参加した1241人の患者の90日死亡率は、ハイドロコルチゾン+フルドロコルチゾン群で43.0%(614人中264人)、プラセボ群で49.1%(627人中308人)でした(P=0.03)。
ヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン群の死亡相対リスクは 0.88(95%信頼区間 0.78~0.99)でした。
死亡率は、ICU退院時(35.4% vs 41.0%、P=0.04)、退院時(39.0% vs 45.3%、P=0.02)、180日目(46.6% va 52.5%、P=0.04)ではプラセボ群よりもハイドロコルチゾン+フルドロコルチゾン群の方が有意に低かったが、28日目(それぞれ33.7% vs 38.9%、P=0.06)ではプラセボ群よりも有意に低値でした。
28日目までの昇圧剤を使用しない日数は、ハイドロコルチゾン+フルドロコルチゾン群でプラセボ群に比べて有意に長期で(17日 vs. 15日、P<0.001)、臓器不全のない日数も長期でした(14日 vs. 12日、P=0.003)。
ventilator-free days は両群でほぼ同程度でした(ハイドロコルチゾン+フルドロコルチゾン群11日、プラセボ群10日、P=0.07)。
重篤な有害事象の発生率は両群間で有意差はありませんでしたが、高血糖症は ハイドロコルチゾン+フルドロコルチゾン群でより認められました。
まとめ
敗血症性ショック患者を対象としたこの試験では、90日間の全死因死亡率は、ヒドロコルチゾンとフルドロコルチゾンを投与された患者の方がプラセボを投与された患者よりも低値でした。