75歳以上のスタチンによる心血管疾患1次予防効果: JAMA

スタチンによる冠動脈疾患の再発効果は1994年に発表された4S試験によって最初に証明されました。

それ以降複数のエビデンスが存在します。

75歳以上の成人における動脈硬化性心血管疾患の一次予防のためのスタチン療法に関するデータは限られています。

この研究では75歳以上の高齢な退役軍人における死亡率および動脈硬化性新血管疾患の一次予防におけるスタチンの効果が評価されました。

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方法

Veterans Health Administrationのデータを使用し、75歳以上で動脈硬化性心血管疾患を発症しておらず、2002~2012年に検査を受けた人が対象とされました。

2016年12月31日まで追跡調査は継続されました。

スタチンの使用歴のある患者を除外されました。

主要評価項目は全死因死亡率と心血管系死亡率とされました。

副次評価項目は、動脈硬化性心血管疾患イベント(心筋梗塞、虚血性脳卒中、冠動脈バイパスグラフト手術または経皮的冠動脈インターベンションによる再灌流)を複合したものが含まれました。

結果

326,981人(平均年齢 81.1歳、男性97%、白人91%)のうち、57,178人(17.5%)が試験期間中に新たにスタチン系薬剤が開始されました。

平均追跡期間6.8年の間に、206,902例が死亡し、そのうち53,296例が心血管疾患による死亡で、スタチン使用者78.7/1000人年と非使用者98.2/1000人年でした。

心血管死は、スタチン使用者で22.6/1000人年、非使用者で25.7/1000人年でした。

複合した動脈硬化性心血管疾患イベントは123,379件で、スタチン使用者66.3/1000人年、非使用者70.4/1000人年でした。

ハザード比は、スタチン使用者と非使用者を比較した場合、全死因死亡率0.75(95%CI 0.74~0.76)、心血管死亡率0.80(95%CI 0.78~0.81)、複合した動脈硬化性心血管疾患イベント0.92(95%CI0.91~0.94)でした。

まとめ

75歳以上の退役軍人で、ベースライン時に動脈硬化性心血管疾患を発症していない場合、スタチンの新規使用は全死因死亡および心血管系死亡のリスクの低下と有意に関連していました。

動脈硬化性心血管疾患の一次予防のための高齢者におけるスタチン療法の役割をより明確に決定するためには、無作為化臨床試験を含めたさらなる研究が必要であるとしています。

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