中性脂肪の心血管疾患残余リスク: Circ J

中性脂肪(TG)値は,心血管イベントの残存リスクとして注目されています。

この研究では、従来の治療を受けた冠動脈疾患(CAD)患者を対象に、TG値とCVイベントとの関係が評価されました。

スポンサーリンク

結果

FMD-J study Aに登録された652例のデータを解析し、TG値とCVイベント(CVイベントによる死亡、非致死的急性冠症候群(ACS)、非致死的脳卒中、CAD)との関連が3年間の追跡し調査されました。

545例(84%)は男性、平均TG値は131±66 mg/dLでした。

613例(94%)は高血圧症、610例(94%)は脂質異常症、243例(37%)は糖尿病を有しており、87例(14%)が喫煙していました。

577例(88%)は脂質低下療法を受け、541例(83%)はスタチン、13例(2%)はフィブラート、42例(6%)はEPA、46例(7%)はエゼチミブの投薬をされていました。

症例はTG値に基づいて、
・低正常値(100mg/dL未満)
・高正常値(100~149mg/dL)
・境界型高トリグリセリド血症(150~199mg/dL)
・中等度高トリグリセリド血症(200mg/dL以上)
の4つのグループに分けられました。

追跡期間中央値46.6ヵ月の間に、14人の患者が死亡(CVイベント9人)、16人が非致死的ACS、6人が非致死的脳卒中、54人がCADを発症しました。

4群間の最初の主要なCVイベントに関するKaplan-Meier曲線はP trend=0.04でした。

交絡因子を調整すると、TG値が100mg/dL以上では、TG値が100mg/dL未満の場合と比較して、初回の主要CVイベントのリスクが有意に増加していました。

まとめ

TG値はCAD患者のCVイベントを予測するためのサロゲートマーカーである可能性があるとされました。

Target of Triglycerides as Residual Risk for Cardiovascular Events in Patients With Coronary Artery Disease – Post Hoc Analysis of the FMD-J Study A. Circ J 2019; 83: 1064-1071

 

EPAによる冠動脈プラークの安定化: Clinical Cardiology

スポンサーリンク
最新情報をチェックしよう!