院外心停止患者AEDで自己心拍再開せずとも予後改善: Lancet

院外心停止を起こし、救急隊が到着する前に市民救助者のAEDによる除細動された患者の多くがが自己心拍再開しません。

しかしこのような患者の神経学的転帰と生存率は評価されていません。この研究では、このような患者の神経学的状態と生存成績を評価されました。

2005年1月1日から2015年12月31日までの間に日本で院外心停止した1,299,784人の患者を対象としたコホート研究がレトロスペクティブに解析されました。

主要評価項目は院外心停止発症30日後の良好な神経学的転帰、副次評価項目は発症30日後の生存率でした。

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結果

市民救助者から心肺蘇生を受けた院外心停止患者 28019 例のうち、2242人(8.0%)の患者はCPRと除細動では自己心拍再開せず、25087人(89.5%)の患者は救急隊到着前にCPRのみで自己心拍再開しませんでした。

好ましい神経学的転帰を示した患者の割合は、市民救助者による除細動を受けた患者の方が受けなかった患者よりも有意に多い結果でした(845[37.7%]vs. 5676[22.6%];オッズ比[OR]1.45 [95%CI 1-24-1-69]、p<0-0001)。

院外心停止後30日の生存率も、市民救助者による除細動を受けた患者の方が受けなかった患者よりも有意に高値でした(987[44.0%] vs. 7976[31.8%];オッズ比[OR]1.31 [95% CI 1-13-1-52]、p<0-0001)。

まとめ

救急隊の到着前にAEDを受けていても自己心拍再開に至る患者は少数とされますが、心拍再開しなくともAED実施患者では予後を向上することが示され、AED利用の意義を支持するものとなりました。

Public-access defibrillation and neurological outcomes in patients with out-of-hospital cardiac arrest in Japan: a population-based cohort study. Lancet. 2019; 394: 2255-2262.

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